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豆知識
携帯料金を少しでも安くするには「eSIM」活用してみてはいかがでしょうか??
[2020.10.22] スマホスピタル天神
カテゴリー:豆知識
今年9月、日本の総理大臣が 菅 義偉 さんに変わりましたね。菅さんは就任前の出馬会見で「携帯電話料金の値下げ」を主要政策として掲げていました。そこで今回はいってきたのが、総務省が「eSIM」の普及を進めていくことで携帯電話料金の値下げを狙っているとの情報です。eSIMの普及を拡大させることにより、携帯電話事業者間の競争を促進することで携帯料金が下がるということですね。
まずこのeSIMとはいったい何なのでしょうか??あまり聞いたことがない方という方もいらっしゃると思いますので、ご説明していきたいと思います。
eSIMとは??
まずSIMというのはご存じでしょうか??SIMとは、小さなチップの形をしたもので、このSIMの中に携帯電話の契約情報やキャリア情報、電話番号などのデータが書き込まれています。このSIMを端末にセットすることで、キャリアはこの携帯電話情報を管理し、通話やインターネットなどの通信が取れるようになるというわけです。
続いてeSIMですが、SIMということなので、上記のようなスマートフォンに挿し込む小さなカードのようなものを思い浮かべる方もいらっしゃるかと思いますが、eSIMはスマートフォンなどの端末にあらかじめ埋め込まれたSIMのことになります。従来のようなSIMと同様の小さなチップのような形をしており、端末から抜き差しすることはありません。ではどうやって利用できるようにするのかというと、このeSIMが埋め込まれた端末を操作し、必要となる重要な情報をeSIMに書き込むことで電話やインターネットなどの通信を利用できるようになるというわけです。
ではeSIMにすることでどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか??
メリット
・ユーザー、自ら携帯電話情報を書き換えられる。
国内外問わずキャリアを変更する際のSIMの差し替えが不要となります。海外でモバイルインターネットを利用する方法の1つで現地のSIMを購入するという方法があると思いますが、このeSIMを利用することで、SIMカードを購入して差し替えることなく、インターネット経由でいつでもどこでも購入・利用ができるようになります。またこの際SIMを差し替える必要が無いので、SIMをなくしたりすることがないでしょう。
・複数の携帯電話情報を保存できる。
現在市販されているeSIM対応の端末では2つ以上のプロファイルを保持できるようになっています。最大数については埋め込まれているeSIMのスペックにもよりますが、通常は10以上可能となっている為、従来のSIMでは不可能な個数となっています。また、新たにプロファイルを取得する場合は、インターネット経由でダウンロードすることになりますが、すでに保存しているプロファイルであればインターネットに接続することなく切り替えることが可能です。なので万が一、メインで使用している通信会社でネットワークトラブルが起きてしまいネットワークが使用できなくなったとしても、すぐに別のネットワークに切り替え、使用することができるということになりますね。
・一つの携帯電話情報を複数のeSIMで共有できる。
eSIMでは一つの携帯電話情報を複数のeSIMで共有することが可能となっています。たとえばAppleWatchに内蔵されているeSIMが、iPhoneに挿入しているSIMと同じ携帯電話番号情報を共有することで、電話などの通信サービスを利用できるようになるということになります。また、従来の抜き差しするSIMとeSIMが利用できる端末では、1台のスマホで複数の回線を使い分けることが可能なので、仕事用とプライベート用の2台のスマホを持ち歩かなくてもよくなります。ただし、現時点では音声通話に対応したeSIMのキャリアはないので、従来の抜き差しするSIMで音声通話を、eSIMでデータ通信をといった使用方法になります。
上記のように良いことだらけな気がするeSIMですが、一方デメリットというものもあるんです・・・
デメリット
・対応している端末が少ない
eSIMに対応している端末はまだまだ少ないのが現状です。iPhoneでは、「iPhone XS / XS MAX」「iPhone XR」「iPhone 11 / 11 Pro / 11 Pro MAX」「iPhone SE(第2世代)」、その他の端末では「Google Pixel 4」「Google Pixel 4 XL」「Google Pixel 4a」のみとなっています。またもうすぐ発売される「iPhone 12 mini/12/12 Pro/12 Pro MAX」もeSIM対応端末となっていますが、iPhone12シリーズは新たな回線の5G対応端末となっている為、eSIMを利用してしまうとせっかくの5G回線が使用できなくなるとのことです。今後ソフトウェアのアップデートなどにより改善される可能性もありますので、その日が来るまで待ちましょう!またスマホ以外のタブレット端末やノートパソコンでもeSIMは利用でき、利用できる端末は「iPad(第7世代)」「iPad mini(第5世代)」「iPad Air(第3世代」「iPad Pro 11インチ(第1世代)」「iPad Pro 11インチ(第2世代)」「iPad Pro 12.9インチ(第3世代)」「iPad Pro 12.9インチ(第4世代)」「Surface Pro LTE Advanced」「Surface Pro X」「ASUS TransBook Mini」「T103HAF-LTE」「T103HAF-GR079LTE」などになります。
・eSIM対応しているキャリアが少ない
日本国内でeSIM対応しているキャリアは「IIJmio」「楽天モバイル」のみとなっています。それ以外では、海外のキャリア・プロバイダーのeSIMプランを利用することになります。しかし、上記でもお伝えした通り、eSIMで利用できるのはデータ通信のみとなり、音声通話は利用できませんのでご注意ください。
また日本3大キャリアに関してはeSIM対応はほぼしていない状態となっています。唯一KDDIが海外渡航時限定でeSIMプランを展開しているのみになります。このことから、今後eSIMがどんどん普及していき、さらに日本3大キャリアがeSIMプランに対応していくことによって携帯電話料金値下げにつながっていくのではないでしょうか。
また総務省は10月27日にeSIM普及推進を含む、携帯料金値下げに向けた政策を取りまとめる方針を伝えています。このことで3大キャリアもeSIM対応へと前進していくかもしれませんね。
携帯が手放せない状態となっている現代では、少しでも携帯電話料金が値下げされることを祈るばかりです m(__)m